ファンの性能を表すものに「風量」と「風圧」があります。風量については、イメージしやすいですが、風圧には静圧と動圧と全圧がありそれぞれなんとなく聞いたことあるけど、、、という人もこれを読めばしっかりと理解できるようになります。
風量について
風量(Quantity)とは、単位時間に送風機が排出(または吸入)する空気の量を表し、一般的には㎥/hまたは㎥/minです。
風圧について
風圧には、静圧(Static Pressure)と動圧(Dynamic Pressure)と全圧(Total Pressure)の3つに分けられます。風圧は風による圧力のため、単位はPaです。
静圧について
静圧は、送風機からダクトを通じて所定の場所まで空気を運ぶ際に重要な要素となります。風がダクトの中を通るとき、ダクトには空気を通すまいとする抵抗(ダクト抵抗)が働きます。この抵抗に打ち勝つには、ダクト抵抗よりも送風機の持っている静圧が大きければ所定の場所に所要風量を送ることができます。すなわち、静圧が大きいと空気を遠くまで送ることができ、風量を確保できます。
また、風船を膨らましたときに、風船の内部から外に向かって押し出す力も静圧です。風船の中には空気風の流動がないときにも生じる圧力であるため静圧と呼びます。
動圧について
動圧は、風の速度のよって生じる圧力です。この速度を圧力におきかえたものが動圧です。風の速度を圧力におきかえるには次式となります。
PV=v×v×ρ/2 PV:動圧[Pa]、v:速度[m/s]、ρ:流体の密度[kg/㎥]
動圧が大きいと、風速が大きくなりモノを動かす力が大きくなり、風力発電などは発電しやすくなります。また、風速が増えると空気抵抗が増すことから、ダクト内の空気の動きを妨げます。
全圧について
全圧とは、風の持っているすねての圧力で、静圧と動圧を加えたものです。
PT=PS+PV PT:全圧[Pa]、PS:静圧[Pa]、PV:動圧[Pa]
送風機の発生する全圧のうち一部が静圧となり残りが風の速度(動圧)となる。
コメント