開放形冷却塔の補給水量

熱源

冷却塔の冷却方法

冷却水システムでは、冷却塔(クーリングタワー)で冷却水を冷却して、ターボ冷凍機などの排熱を取り除き、冷却水ポンプで冷却水を循環します。冷却塔にはいろいろな構造がありますが、開放形冷却塔では冷却水と空気を直接接触させて冷却水の一部を蒸発させて、その蒸発潜熱で残りの冷却水を冷却します。開放形冷却塔は冷却水と空気が直接接触するため、冷却水が空気によって汚れてしまいます。汚れを嫌う場合は、鋼管などで作った伝熱面を通過して間接的に冷却すする構造もあります。このような冷却塔を密閉式冷却塔と呼びます。一般的には開放式冷却塔のほうが効率が良く開放形が良く採用されます。

開放形冷却塔の蒸発量

常温の水の蒸発潜熱は約2500kJ/kg、水の比熱は約4.19kJ/(kg・K)のため、1%の水を蒸発させることによって残りの水の温度を約6℃下げることができます。すなわち、蒸発量を以下の数式に表すことができます。

 E=⊿t×L/6000

E:蒸発量[L/min]、[m3/h]、 ⊿t:冷却塔冷却水の入出の温度差[℃]、          L:循環水量[L/min]、[m3/h]

開放形冷却塔のキャリーオーバー

開放形冷却塔のファンによって空気とともに運び去られる微小水滴をキャリーオーバーと呼びます。キャリーオーバー量はきわてめ少なく本体の構造により多少左右されますが、循環水量の0.05%以下とされています。

 C=L×0.00005

C:キャリーオーバー[L/min]、[m3/h]

開放形冷却塔のブローダウン

開放形冷却塔の冷却水は蒸発によって不純物濃度の上昇します。冷却水の不純物濃度が高くなると金属の腐食やスケール(水あか)の原因となるため、定期的に排出させて冷却水を入れ替える必要があります。ブローダウンの必要量は水質あるいは濃縮度合いによって異なりますが、空調用の場合は濃縮倍数は通常3倍程度とします。そのときのブローダウン量は以下となります。

 B=E/(N-1)-C

B:ブローダウン量[L/min]、[m3/h]、 N:濃縮倍率

開放形冷却塔の補給水量

開放形冷却塔の補給水量は以下となります。

 M=E+C+B

M:開放形冷却塔の補給水量[L/min]、[m3/h]

開放形冷却塔の水道料金

通常、排水量は給水量と同量みなして水道料金がかかります。開放形冷却塔は補給水に占める蒸発量が多いため、冷却塔の排水管系統に検定付きの流量計を設置することで、排水量から蒸発分を按分して計測することが多い。

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